YOMOのおもてなしをご紹介~侘び寂びの精神を系譜に~

日本独自の美的感覚「侘び寂び」の精神性を基盤にYOMOがご提案するおもてなしをご紹介します。静謐の中で自己をととえるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

1.日本で発展した独自の美的感覚「侘び寂び」

侘び寂びとは、日本で発展した多元的な美的感覚、価値観の一つと言えます。
ひと括りにされやすいですが、侘び寂びは、古語「寂ぶ」「侘ぶ」に由来し、「寂ぶ」は荒れた気持ちになる。(光や色が)弱くなる、あせる。(古びて)趣が出る。「侘ぶ」は悩む。困惑する。つらく思う。せつなく思う。などの意味をもちます。

 

日本人は古くから自然由来のものや不完全さ、物の不足の中に「寂ぶ」「侘ぶ」を感じ、充足や美を見出してきました。今日、その価値観は日本文化を代表する「侘び寂び」となっています。

 

◆「侘び寂び」概念の歴史
侘び寂びの概念は、平安時代「古今和歌集」集成の時期には確立されていたと言われています。和歌の秀美を論じる重要なキーコンセプトとされ、以来、日本文芸における中心的価値観とされてきました。時代を下る中で、侘び寂びの感性は芸術や宗教などと融合し、精神的美意識へと昇華していきます。とくに、茶の湯文化の中で具象化されていったと言われています。

図1.

(左)安時代の歌人・藤原俊成。閑寂な現象やそこから受ける心情、印象である「寂び」に着目し、和歌に取り上げた先駆者と言われている。引用:名古屋刀剣博物館.藤原俊成(皇太后宮大夫俊成)と百人一首.小倉百人一首の歌人一覧.

https://www.meihaku.jp/hyakunin-isshu-kajin/kajin-fujiwarano-toshinari/

(右)室町時代の禅僧・村田珠光。貧相や粗相を侘びる。上等なものを用意できなかったことを心から侘びて用意する。これらの気持ちを「侘びの意識」や「侘びのふるまい」にまで高めた。侘び茶の祖と言われている。引用:奈良市観光協会.珠光茶会とは.第十二回奈良大茶会珠光茶会.

https://jukotea.jp/

従来の茶の湯文化の流れを汲み、「佗び茶」を完成させたのが千利休であると言われています。織田信長や豊臣秀吉の茶堂として仕えていた千利休は、茶の湯専用の茶碗や点前の簡略化、茶室の草庵化、露地の作事などを進めました。茶の湯から遊戯的な要素を最大限払拭し、小間の茶室で簡素な道具を用いることで緊張感のある佗び茶を編み出しました。不足の中に美を見出す思想を基盤に、侘び寂びの美的感覚や価値観をより洗練していったと言えます。

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図2.

(左)珠光青磁茶碗:美しい青磁はロクロの技術、釉技、釜の焼成技術の条件が揃って出来上がる。しかし、侘び茶の祖である村田珠光はいずれかの条件が欠けくすんだ色合いの青磁を茶席で用い始めた。引用:文化遺産オンライン.珠光青磁茶碗.作品一覧.

https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/478214

(右)黒楽茶碗:千利休が従来の無作為の茶碗から侘びの風情を抽出し作為につくらせた「用の美」を備える茶碗。引用:文化遺産オンライン.黒楽茶碗.作品一覧.

https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/465157

 

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図3.

国宝「待庵」の原寸再現:千利休がつくった二畳の極小の茶室を原寸再現したもの。亭主と客人の膝が突き合う程度の最低限の広さとなっており、双方の所作に高度な技術が必要。千利休は緊張感のある心の交流を試みたと考えられる。引用:森美術館.「建築の日本展」プロジェクト紹介#2《待庵》.NEWS.

https://www.mori.art.museum/jp/news/2018/07/1343/

また、茶の湯では亭主と客人との心の交流も、侘び寂びの価値観を構成する重要なポイントです。
亭主は点前や所作に留まらず、露地や茶室を清め、茶道具一式の吟味、菓子や懐石の準備など、客人や四季の移ろいに合わせて茶会の空間と演出を自らプロデュースします。
対する客人は亭主のもてなしを受け、吟味されたしつらえを拝見し、一服の茶をいただく前にもてなしに対する感謝の表れとして丁重な一礼をします。
これら一連の動作は今日の茶道における「型」として継承されていますが、型の根底に亭主と客人互いの礼節や心配りがあるからこそ、緊張と静謐の中にもぬくもりを感じるのだと思います。

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図4.

茶懐石。お茶を引き立てる簡素な料理だが、季節物を取り入れ温かいものは温かく調理して客人が食べる頃合いに出すなど客人への心配りを細部にまで行き届かせるもてなし。引用:婦人画報.懐石料理とはどんなもの?茶事の順番と作法を動画で学ぶ.ライフスタイル.

https://www.fujingaho.jp/lifestyle/tea-flower/a39244779/kaiseki-kaiseki-differences-vol2/

◆おもてなしについて
相手の要望を事前に推測する。過剰に干渉せず、しかし放置もしない。所謂“空気をよむ”能力に長けた日本人だからこそ、このように空間・時間・所作すべてで相手をもてなす「おもてなし」文化を発展させることが出来たのだと思います。

グローバル化が進む今日、日本の「おもてなし」文化は世界で注目され、あらゆる分野へ展開されているようです。


例えば、宿泊・観光業、航空・交通系インフラ業、小売・商業施設業の企業などで、「おもてなし」思想を基盤とした静かな接客や空間設計、地域文化を取り入れた滞在体験の提供、丁寧な対応、時間厳守などが挙げられます。
日本では当たり前と思われる内容かもしれませんが、世界をみわたしてみると日本の独自性がより明瞭になるように思います。

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おしぼりは日本の「おもてなし」文化の一つ。江戸時代の頃から宿屋で木綿手ぬぐいと水を張った桶を旅人に提供したことが始まり。現在、海外の飲食店などでも非言語の「おもてなし」としておしぼり提供が普及しているそう。

 

 

2.YOMOの考えるおもてなしについて

YOMOは2022年のオープン以来、よもぎ蒸しをとおした「おもてなし」を追求して参りました。
相手の心を先回りして場や空気を整え、配慮を見せずに配慮すること。また、そこから生じるあたたかな言動を総じて「おもてなし」と考えています。

 

これは、日本人が生まれもった国民性に由来するものではなく、世界を見渡せばホスピタリティの文化などあらゆる形で存在しています。日本人は、歴史の中で社会的・文化的な倫理観としてこの配慮の思想を形成し、今日の「おもてなし」として日常生活の随所でその精神性を発揮しています。

 

東京の中心にありながら、つかの間、喧噪を離れ、自分自身をいたわる時間。静謐のなかで心と身体、そして精神をととのえる時間をご提案します。

 

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3.よもぎ蒸しでおもてなし

よもぎ蒸しは中国や韓国で発祥、発展し日本へ伝来した民間療法です。よもぎ蒸しそのものにかかる時間はおよそ15分程度であり、このわずかな時間に濃縮されたYOMOの「おもてなし」をご紹介します。

 

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◆国産100%よもぎでととのう
YOMOで使用しているよもぎは、すべて国内生産100%の食べられるほど安心・安全なものです。皮膚や粘膜から直接よもぎのスチームを吸収するので、安心・安全なよもぎの使用にこだわっています。
・国内の規定農家による無農薬・無着色栽培
・機械ではなく、農家さんの手摘み収穫なので雑味がない
・薬品を一切使わず、自然乾燥のみで害虫を駆除
・他ハーブとのブレンドを一切していないため、くさみや化学物質のような臭いはなく、よもぎ本来の香りをお楽しみいただける

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また、お客様にご提供している飲むよもぎ(よもぎ茶)も同じ国産100%のよもぎを使用しています。飲むよもぎのティーバッグもYOMO店頭で販売しています。
ご自宅で飲むよもぎを楽しまれた後は、茶葉をそのまま湯船に入れ、よもぎ風呂としてもご活用いただけます。湯船で温まりながらよもぎの薬効を皮膚から吸収できます。その他、口臭予防としてうがいに使う、茶葉の出涸らしを炒って靴箱の防臭材としてもご活用いただけます。よもぎには様々な使い道がございますので、詳しくはYOMOスタイリストまでお尋ねください。

 

◆スタイリストでととのう

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認定試験を合格した専門スタイリストがよもぎ蒸しに入る前後でカウンセリングをさせていただきます。
お客様の健康状態をしっかりと確認することで、よもぎ蒸しに入った後の状態や反作用が起こった際の迅速な対応を可能にします。
よもぎ蒸しに入る前は、お客様のご希望やお悩みをうかがい、より適切な入浴方法や気をつけるべきことをご提案させていただきます。入浴後は、体調の変化をうかがうと共にお客様お一人お一人の美容と健康に寄り添ったお悩み相談にもご対応させていただきます。

 

◆空間でととのう
上質なよもぎ蒸しを最大限に味わっていただくため、空間、照明、室温などの演出をこだわっています。
太陽のお部屋と月のお部屋をご用意しており、どちらもシンプル+ジェンダーレスな内装で、年齢や性別関係なくご利用いただきやすい設計です。

 

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太陽のお部屋は、初めてYOMOにお越しいただく方にオススメです。
温かな太陽の光が降り注ぎ、観葉植物でいっぱいの癒やしの空間となっています。よもぎ蒸しに加えて、オプションで足湯を付けることも可能です。詳しくは、YOMOスタイリストまでお尋ねください。お一人でも大切な方とおしゃべりしながらでも楽しんでいただけます。

 

◆瞑想でととのう

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月のお部屋は、瞑想でととのうに特化したコンクリート打ちっぱなしの空間です。
太陽のお部屋と同じよもぎ蒸しと足湯に加えて、瞑想の時間も取り入れています。思考を整理し頭の中をスッキリさせたい方、自分自身と向き合い「無」の時間に浸りたい方、大切な方とプライベートな空間を楽しみたい方にぴったりです。

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また、バチェラー・ジャパン司会の坂東工氏が描いたオーラアートを展示しています。オーラアートとは、一人一人に備わっている生きる力、場所・空間を循環するエネルギーを色彩で表現する坂東氏のアート作品です。月のお部屋でオーラアートを鑑賞しながらご自身の内に循環する氣やエネルギーを感じ、ととのう時間をお楽しみいただけます。

 

◆特注のヒノキ椅子

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※ヒノキ椅子は常にアルコールで消毒し、清潔に保っています。

 

YOMOでは、見て良し、嗅いで良し、触って良しの三拍子揃ったヒノキ材のよもぎ蒸し専用椅子をご用意しています。 ヒノキは、日本人にとても馴染みのある木材です。見た目の高級感や独特の香り、木材独自のあたたかみに加え、座り心地等もリラックスしていただきやすい設計にしています。 よもぎ蒸しの最中もゆったりと腰掛けられるように、十分な背もたれと幅広い座面を確保することで、お好きな座位でよもぎ蒸しに入ることができます。

 

◆特注マント

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YOMOで使用しているマントは、シルク製の生地で、体全体をすっぽり覆える大きさです。フードもついており、よもぎのスチームを逃すことなく全身に浴びていただける設計にしています。肌触りや保温も抜群で、蒸気で濡れても皮膚に貼り付かず、心地よくよもぎ蒸しに集中いただけます。

 

4.まとめ

今回は、日本で発展した独自の美的感覚である侘び寂びの精神と、YOMOが考えるおもてなしを中心にご紹介いたしました。

 

人は誰しも周囲の環境から大きな影響を受けています。楽しいときも辛く苦しいと感じるときも変わらず日々を送るからこそ、自分自身のための時間に目を向けてみるのはいかがでしょうか。
YOMOはよもぎ蒸しをとおして、自己をととのえるひとときをご提案します。
本記事が皆様の日常をより良いものにする一助になれば幸いです。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

【参考文献】
岡本浩一(2023).「80億人の『侘び寂び』教養講座」淡交社
レナード・コーナン(2024).「わびさびを読み解く」ビー・エヌ・エヌ出版
松岡正剛(2009).「日本流」ちくま学芸文庫
表千家不審菴.「茶の湯について学ぶ」.茶の湯 こころと美.
https://www.omotesenke.jp/
Weblio古語辞典.「寂ぶ」.最終閲覧日2026年3月30日,
https://kobun.weblio.jp/content/%E5%AF%82%E3%81%B6
Weblio古語辞典.「侘ぶ」.最終閲覧日2026年3月30日,
https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BE%98%E3%81%B6