乾燥肌で毛穴が目立つのはなぜ?毛穴が目立つ原因と乾燥・毛穴ケアについて解説
肌の乾燥により、肌のキメが乱れたり毛穴から皮脂が過剰分泌されたりすることで毛穴の広がりが目立ちます。これにより、様々な肌トラブルが引き起こされる可能性があります。
本記事では、乾燥による毛穴の開き等をどうケアするか、予防方法やよもぎ蒸しがどう改善に結びつくか等についてご紹介します。
1.乾燥で毛穴が目立つ理由とは?
肌の乾燥により毛穴が目立つ要因は大きく2つあります。
1つ目は、肌のキメが乱れるため。2つ目は、毛穴の皮脂腺からの皮脂の過剰分泌が起こるためと考えられます。
そもそも、肌のキメとは表皮にある凹凸(皮丘(ひきゅう)と皮溝(ひこう))を指し、この凹凸が細かく整列している状態をキメが整っていると言います。キメが整っていると、皮丘と皮溝の間にある毛穴もキュッと引き締まり、毛穴は目立たない状態となります。他方、肌のキメが乱れているとは、この凹凸の大きさがバラバラになり整列していない状態を指します。毛穴が引き締まっておらず、目立つ要因になると考えられます。
また、肌の乾燥が進むと毛穴から皮脂の分泌を過剰に促し、結果として毛穴が開いて目立ってしまうと考えられます。
その他、毛穴が目立つ要因としては、若さや体質の影響による皮脂の分泌量が多いこと、ターンオーバーの乱れによる老廃物や汚れの溜まり、加齢による肌のたるみ等が挙げられます。
2.乾燥による肌トラブルの特徴とは?
乾燥で毛穴が開いている(肌のキメが乱れている)、皮脂の過剰分泌が起こっていると吹き出物等の様々な肌トラブルが生じる可能性があります。
①乾燥で毛穴が開く
肌が乾燥すると、肌のキメが乱れたり、肌のバリア機能により皮脂腺から皮脂が過剰分泌し、毛穴が押し広げられます。頬や額、鼻、口のまわりなどに多くみられます。
②乾燥による毛穴の詰まり
毛穴にある皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されて、皮脂と古い角質等の汚れが混ざると、毛穴に角栓が詰まった状態となります。いわゆる、ニキビや吹き出物と言われているものです。
ターンオーバーの機能低下が原因で起こる場合もあり、鼻の頭や小鼻に出来やすいと言われています。
③角栓の酸化による黒ずみ
角栓が空気に触れて酸化すると黒くなって、ザラザラとした通称“いちご鼻”になりやすいと言われています。角栓を無理に押し出したりして取ろうとすると、毛穴がさらに広がり悪化してしまいます。
図1.頬の角栓の年齢による変化
引用:花王株式会社.”イノベーションのDNA”.なぜ角栓は落ちないのか?スキンケア研究員が暴く驚きの実態
https://www.kao.com/jp/kaonokao/dna/8_3/
3.乾燥による毛穴悩みの予防・改善方法とは?
毛穴の開きやつまりを予防・改善する方法は、適切なスキンケアとターンオーバーのはたらきを促すことが基本です。
3-1.正しいクレンジングと洗顔で毛穴つまりを解消
クレンジングと洗顔が不十分で汚れが表皮に残ったままだと、古い角質と混ざり、毛穴つまりや吹き出物等の肌トラブルの元となります。
また、クレンジングと洗顔で必要な油分まで落としてしまうと、乾燥の原因にもなるので、ご自身の肌に合った手法を取り入れましょう。具体的には、クレンジングと洗顔のタイプもオイル、泡、クリームと使い分けるとより効果的と考えられます。例えば、乾燥肌で洗顔後の肌のつっぱりが気になる方は泡、またはクリーム状のクレンジング、洗顔料を使う等です。
さらに、クレンジングや洗顔時は、皮膚への過剰な刺激にならないようにできるだけこすらずに行いましょう。
クレンジングや洗顔料をしっかりすすいで落とし切ることも重要です。
意外と、クレンジングや洗顔料の洗い残しが原因で毛穴が広がったり吹き出物が発生する場合もあります。目安は、ご自身の年齢+10回(おおよそ30回以上)のすすぎを意識することをオススメします。
3-2.お肌への水分補給と保湿で乾燥を予防
肌の乾燥とは、バリア機能が低下し水分を保持できなくなっている状態を指します。乾燥を予防するためには、肌へ水分補給(=保湿)し、バリア機能がきちんと働く状態にしておくことです。
図2.敏感肌(肌のバリア機能が乱れがちなうるおい不足の肌)のイメージ図
引用:第一三共ヘルスケア株式会社.”MINON”.3分で分かる!敏感肌
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon/sensitive-skin/3minutes/
保湿は洗顔後または入浴後にできるだけ早く行いましょう。化粧水で肌に水分補給しながらキメを整え、乳液の油分で水分を閉じ込めるという流れが基本です。必要に応じて美容液等を取り入れるのも良いですね。
図3.(資生堂調べ)化粧水のみを使用したときと、化粧水+乳液を使用したときの肌の時間経過におけるうるおい持続について
引用:株式会社 資生堂.”watashi+”.化粧水&乳液の使い方とニーズ別アイテムを徹底解説!
https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB009195/?sc_rto=pc_beauty_article_detail_DB009195
3-3.ビタミンの補給で吸収を促す
ビタミンの補給は、肌のターンオーバーを促す、皮脂の分泌量を抑制する、肌の乾燥を防ぐ、ホルモンバランスを整える、等々の肌トラブルの予防に繋がると期待されます。積極的にビタミンをはじめとするタンパク質、食物繊維、必須脂肪酸等を含む食事を摂取しましょう。
表1.ビタミンのはたらきと含有される食材
| はたらき | 食材 |
ビタミンA | 免疫力を高めてアクネ菌の繁殖を抑制 | 緑黄色野菜、レバー等 |
ビタミンB | 皮脂の過剰分泌を抑える | レバー、赤身の魚、豚肉、大豆製品等 |
ビタミンC | 活性酸素を除去し肌の炎症を抑える、肌の乾燥を防ぐ | 野菜、果物等 |
ビタミンE | 肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促す | 卵、オリーブオイル、アーモンド等 |
3-4.UVケアで乾燥を防ぐ
紫外線(主にUV-A、UV-B)を受け続けると、肌の角質層が攻撃されバリア機能の低下を招きます。バリア機能が低下すると肌の水分が蒸散し、結果として乾燥肌になってしまいます。
肌を守るためには適切なUVケアが必要です。具体的には、日焼け止めを使用する。皮膚が露出する衣服を避ける(極力、紫外線を浴びないようにする)等です。
日焼け止めの使用においては、肌に合わない日焼け止めを使うと、つっぱりやかゆみやかぶれ等の肌トラブルのもとになり得るので注意が必要です。
特に、注意すべき点は日焼け止めに含まれている「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」という成分です。紫外線吸収剤は化学反応を、紫外線散乱剤は物理反応をそれぞれ起こし、紫外線のダメージから肌を守ります。
紫外線吸収剤は肌の上で化学反応を起こすので、敏感肌には刺激となりかぶれ等が発生する場合があるので、含有成分には注意が必要です。
図4.紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の反応の違い
引用:花王株式会社.”製品Q&A”.【成分・働き】紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いは?どうやって見分けることができるの?
https://www.kao.com/jp/qa/detail/16479/
4.乾燥肌・毛穴が目立つときのメイク方法
乾燥している肌や毛穴が開いている状態でメイクをすると、更なるニキビや吹き出物、炎症等の肌荒れの要因になる上に、化粧持ちを長くするためにも、まずはしっかり保湿をしてからメイクをすることが大切です。
基礎化粧品やメイク用品は低刺激のものを選ぶことをおすすめします。具体的に低刺激なものとは、成分が無香料・無着色、防腐剤フリー(パラベンフリー)、アルコールフリーであること、またスティンギングテスト(低刺激性化粧品テスト)を実施済であることが明記されている製品が該当します。
また、肌に綺麗に化粧をのせ、持ちを長くするためには日焼け止め、化粧下地を塗った後に、パウダーファンデーションよりも液体で密度の高いリキッドファンデーションを塗ることもおすすめです。
5.よもぎ蒸しでお肌のトラブルをケア
よもぎには殺菌効果と抗酸化効果が期待されており、よもぎ蒸しを継続されているお客様から、「そばかすの量が減ったように思う。」「吹き出物が解消した。」等のお声をいただいたこともございます。
よもぎ蒸しで乾燥肌や毛穴の開きを直接的に解消することは難しいと思われますが、肌の乾燥や毛穴の開きが原因で発生する肌トラブル(吹き出物等)へのケアとして利用するのは有効かもしれません。
また、乾燥肌の場合は、体が脱水状態で末端の細胞の肌が乾燥しやすいため、よもぎ蒸しに入る15分以上前や、普段から常温の水分を補給することも大切です。
その他、よもぎ蒸しは、まるで温泉に入っているように、約40℃の蒸気で体を芯から温めます。まさに温泉に入るのと同じように、体を芯から温めるので、血行促進の効果が期待できます。血行が促進され自律神経系が整うと、ホルモンバランス等の内分泌系のはたらきも整います。
また、蒸された後の保温効果も高く、体感に個人差がありますが、お腹の中にずっとカイロがあるような感覚で、しばらく温かさが持続します。
さらに、よもぎの香り(よもぎに含まれるシネオール、α-ツヨン、β-カリオフィレンなどの精油成分から成る)はストレス解消につながるリラックス効果があると言われています。
6.まとめ
乾燥により毛穴が目立つ理由から始まり、起こりうる肌トラブル、毛穴悩みの予防・改善等についてご紹介しました。
現代人は、冬だけに留まらず、年中クーラーや暖房機器の影響を受けることから通年で乾燥肌に悩むことも多いです。乾燥肌は皮膚のつっぱりだけではなく、更なる毛穴の広がりの要因になる等あらゆるトラブルのもとにもなり得ます。
年齢や季節に関わらず、日頃からクレンジングや洗顔、保湿、ビタミン補給、UVケアを行っておくことが乾燥肌の予防に繋がります。
また、よもぎ蒸しは、乾燥や毛穴の広がりに起因するトラブルにも効果が見込めると期待できます。
本コラムが、皆様にとってよもぎ蒸しを知るきっかけになり、また乾燥肌や毛穴ケア改善・緩和のための一つのツールとして、身近な存在になれば大変嬉しく思います。
最後までお読みくださりありがとうございます。
【参考文献】
第一三共ヘルスケア株式会社.ひふ研. 乾燥肌(ドライスキン).p.227-234.
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/symptom/kansouhada/
日本化粧品技術者会.2013,vol.18,p.11-15.
https://www.sccj-ifscc.com/
日本化粧品工業会.2010,vol.30,p62-71.
https://www.jcia.org/user/
株式会社 資生堂.ニュースリリース.資生堂、乾燥によるキメの大きな乱れが皮膚の角層細胞の縮みによるものであることを発見.
https://corp.shiseido.com/jp/releimg/2152-j.pdf?rt_pr=tr034
株式会社 資生堂.ニュースリリース.資生堂、角層細胞間脂質の新評価法を確立.
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003142
P&Gグループ.SK-Ⅱ.美容・スキンケア情報.毛穴ケア.
https://www.sk-ii.jp/skin-concern/pore-care
- SCHEDULE
ナイトタイム:22:00〜28:00(最終受付 23:00)
定休日:不定休
- ACCESS
東急東横線「代官山」駅 正面口から徒歩3分
代官山蔦屋書店 徒歩1分
JR山手線恵比寿駅・日比谷線恵比寿駅 徒歩10分