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ストレス肌荒れの原因と対策〜赤みや場所の特徴からケアの方法〜

代表的なストレス肌荒れの症状として、ニキビ・吹き出物、あかみ、ブツブツ等が挙げられます。これらは、身体的、社会的、自然環境的な要因により、ストレス反応として身体上に生じたもの捉えることができます。
本記事では、さらにこれらの改善方法や他事例、よもぎ蒸しがどう改善につながるのかご紹介します。

1.ストレス肌荒れとは何か?〜自律神経やホルモンバランスとの関係〜

ストレスを受けることで起こりうる肌荒れは、吹き出物、赤み、乾燥等が挙げられます。

①ストレスと肌の関係性
ストレスを受けると人間は交感神経が優位となり、エストロゲン(女性ホルモン)やアンドロゲン、コルチゾール等のホルモンのバランスに変化が生じます。これらのはたらきにより、皮膚の皮脂分泌やターンオーバー(新陳代謝)に変化が生じ、吹き出物や赤み、乾燥等の肌荒れが起こると言われています。ストレスと肌には間接的な因果関係があるようです。

②QOLへの影響
福原氏曰く、QOL(Quality Of Life)は、大きく二種類あると考えられます。
所謂、生きがい、経済状態、日常生活における満足度等をイメージするoverallQOLと、疾患や健康状態が原因となり、医療行為によって改善できる状態をさす健康関連QOLです。
肌荒れは皮膚という目に付きやすい箇所で起こり、その見た目が自尊心や自己イメージ等、精神面に与える影響も大きいです。肌荒れ含む皮膚疾患により心理的、また健康的なQOLが損なわれることもあり、肌荒れとQOLは密接な関係にあると言えそうです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002mpa7-att/2r9852000002mpe0.pdf

福原俊一.臨床のためのQOL評価と疫学.日本腰痛会誌,8(1):31-37.2002.3p.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/8/1/8_1_31/_pdf/-char/ja

 

 

2.ストレス肌荒れの主な症状と影響

ストレス肌荒れの症状には、ニキビ・吹き出物、ブツブツ、赤み等があります。
具体例を以下にご紹介します。

 

2-1.主な症状(ニキビ、ブツブツ、赤みなど)

人間は心理的ストレスを受けると交感神経が優位になり、アドレナリン、アンドロゲン、テストステロン、コルチゾール等のホルモンが分泌されます。これらのホルモンは皮脂分泌を促すはたらきがあり、毛穴に皮脂が詰まりやすい原因となり、結果としてニキビ・吹き出物が発生します。

図1.大人ニキビの原因イメージ
引用:第一三共ヘルスケア株式会社.”大人ニキビの原因とは”.MINON.
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon-aminomoist/skin-column/acne-care/


また、赤みやブツブツは蕁麻疹や湿疹とも考えられます。
蕁麻疹は、赤く盛り上がる膨疹が出現する皮膚疾患で、全身のどこにでも出現する可能性があるそうです。原因は、真皮内の血管から水分が漏れることによるものだそうです。
一方、湿疹は、表皮で炎症が起こることで生じるようです。一見すると似たような症状かもしれませんが原因が全く異なりますね。

 

図1.じんましんと湿疹の違い
引用:葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニックHP.“じんましん(蕁麻疹)”.
https://www.kasai-yokoyama.com/urticaria/#a01

 

2-2.ストレス肌荒れの症状が出やすい場所

吹き出物や蕁麻疹、湿疹等の症状により発生しやすい場所は異なるようです。特に吹き出物は、発生する部位によって原因等もある程度分かる場合があるようです。

〇好発部位(顎周辺、フェイスラインなど)
できやすい部位は、顔のTゾーンや鼻周りに加え、Uゾーン、首、デコルテといったフェイスライン等のあらゆる部位に発生します。原因は、肌の乾燥、ホルモンバランスの変化、ストレス、生活習慣の乱れ等、様々です。

〇場所による症状の違い
見方を変えれば、発生部位により大人ニキビの原因もある程度特定できるとも考えられます。
例えば、口周りにできるニキビは偏食や食べ過ぎなど食生活の乱れによる胃腸の不調が一因と言われています。頬等は肌の乾燥や誤ったスキンケア、長時間のマスク着用による衣擦れ等が考えられます。

 

2-3.肌のバリア機能への影響(皮膚のターンオーバー機能の低下等)

吹き出物や蕁麻疹、湿疹等の症状により発生しやすい場所は異なるようです。特に吹き出物は、発生する部位によって原因等もある程度分かる場合があるようです。

ストレスが肌のバリア機能に与える影響として、皮膚のターンオーバー機能の低下等が考えられます。
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝のことです。ターンオーバーの周期は約4~6週間と言われており、表皮の基底層で新しい皮膚細胞がつくられ、時間をかけて肌の表面に出てきます。これが、角質や垢となって剥がれ落ちていきます。ターンオーバーが乱れると、古い角質が表皮に残り続け(角質肥厚)、角質層の細胞間を埋めている細胞間脂質等の保湿成分がつくられにくくなります。
この保湿成分が不足すると、外的要因(紫外線、ほこり等)から肌を守る機能が低下し、乾燥が進んだり、外的刺激を受けやすくなります。

 

図3.肌のターンオーバーイメージ
引用:第一三共ヘルスケア株式会社,肌あれの原因.”肌あれの原因”.くすりと健康の情報局.
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/41_hadaare/

 

3.肌荒れの原因となる日常生活における3つのストレスの原因

適度なストレスは人間の適応性を維持するために必要と言われていますが、過剰なストレスは心身に悪影響を及ぼし、健康を脅かす場合もあります。
考えられるストレスの要因として、身体的・社会的・自然環境的要因を挙げています。これらの要因がストレス反応となって、心理・身体上に出てきます。

①身体的要因
病気や怪我、あるいは先天性の疾患等で身体の一部分に外見上の変化が生じた場合、結果として自己評価が低くなり、ストレスや抑うつ、社会恐怖等を伴う場合もあると言われています。
その他の要因は、睡眠不足や更年期障害、女性ですと生理等も考えられます。

②社会的要因
職場や学校や家庭等における人間関係、仕事の質や量、将来について、不況や貧困等、日常生活を取り巻くあらゆる事象が原因となり得ます。

③自然環境的要因
天候、気温、気圧の急激な変化、騒音、自然災害(地震、津波、台風等)の体験等が考えられます。

https://www.kango-roo.com/learning/8739/

 

4.ストレス肌荒れを改善する方法

ストレス肌荒れを改善する方法は、適切なスキンケア、ターンオーバーのはたらきを促すこと、十分な休養が基本と言われています。

 

4-1.スキンケアの基本

スキンケアの基本は正しいクレンジングと洗顔です。クレンジングと洗顔が不十分で汚れが表皮に残ったままだと、古い角質と混ざり、毛穴つまりや吹き出物等の肌トラブルの元となります。

また、クレンジングと洗顔で必要な油分まで落としてしまうと、乾燥の原因にもなるので、ご自身の肌に合った手法を取り入れましょう。具体的には、クレンジングと洗顔のタイプもオイル、泡、クリームと使い分けるとより効果的と考えられます。乾燥肌で洗顔後の肌のつっぱりが気になる方は泡、またはクリーム状のクレンジング、洗顔料を使う等です。

さらに、クレンジングや洗顔時は、皮膚への過剰な刺激にならないように、できるだけこすらずに行いましょう。クレンジングや洗顔料をしっかりすすいで落とし切ることも重要です。意外と、クレンジングや洗顔料の洗い残しが原因で毛穴が広がったり、吹き出物が発生する場合もあります。目安は、ご自身の年齢+10回(おおよそ30回以上)のすすぎを意識することです。

 

4-2.保湿の重要性と効果的な成分

保湿は洗顔後、または入浴後にできるだけ早く行いましょう。化粧水で肌に水分補給しながらキメを整え、乳液の油分で水分を閉じ込めるという流れが基本です。必要に応じて美容液等を取り入れるのもおすすめです。

図4.(資生堂調べ)化粧水のみを使用したときと、化粧水+乳液を使用したときの肌の時間経過におけるうるおい持続について
引用:株式会社 資生堂.”watashi+”.化粧水&乳液の使い方とニーズ別アイテムを徹底解説!.
https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB009195/?sc_rto=pc_beauty_article_detail_DB009195

 

4-3.紫外線対策の必要性

紫外線(主にUV-A、UV-B)を受け続けると、肌の角質層が攻撃されバリア機能の低下を招きます。バリア機能が低下すると肌の水分が蒸散し、結果として乾燥肌になってしまいます。
肌を守るためには適切なUVケアが必要です。具体的には、日焼け止めを使用する。皮膚が露出する衣服を避ける(極力、紫外線を浴びないようにする)等です。
日焼け止めの使用においては、肌に合わない日焼け止めを使うと、つっぱりやかゆみやかぶれ等の肌トラブルのもとになり得るので注意が必要です。
特に、注意すべき点は日焼け止めに含まれている「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」という成分です。紫外線吸収剤は化学反応を、紫外線散乱剤は物理反応をそれぞれ起こし、紫外線のダメージから肌を守ります。
紫外線吸収剤は肌の上で化学反応を起こすので、敏感肌には刺激となりかぶれ等が発生する場合があるので、含有成分には注意が必要です。

図5.紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の反応の違い
引用:花王株式会社.”製品Q&A”.【成分・働き】紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いは?どうやって見分けることができるの?.
https://www.kao.com/jp/qa/detail/16479/

 

 

4-4.生活習慣の見直し

規則正しい生活を習慣化し、肌荒れを防ぐ土台をつくることは非常に重要です。具体的には、十分な睡眠をとること、栄養バランスの取れた食事をすることが基本と言われています。

睡眠に入った後、3時間前後は肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促す成長ホルモンの分泌がピークになると言われています。他方、睡眠不足になると、自律神経が乱れ、またホルモンバランスの変化により、皮脂分泌が増加する場合があります。ニキビを予防し肌を整えるためには、新陳代謝が活発に行われる22時~深夜2時には睡眠に入っている状態が望ましいです。

図6.成長ホルモンの分泌量の変化
引用:養命酒製造株式会社.”睡眠の質を上げることは成長ホルモンに◎眠りを深くする5つの習慣”.楽しむ・学ぶ
https://www.yomeishu.co.jp/health/4188/

栄養バランスの取れた食事について、特にビタミンは、肌のターンオーバーを促す、皮脂の分泌量を抑制する、肌の乾燥を防ぐ、ホルモンバランスを整える、等々のニキビの予防等に繋がる作用が期待できます。
積極的にビタミンをはじめとするタンパク質、食物繊維、必須脂肪酸等を含む食事の摂取をおすすめします。

表1.ビタミンのはたらきと含有される食材

 

はたらき

食材

ビタミンA

免疫力を高めてアクネ菌の繁殖を抑制

緑黄色野菜、レバー等

ビタミンB

皮脂の過剰分泌を抑える

レバー、赤身の魚、豚肉、大豆製品等

ビタミンC

活性酸素を除去し肌の炎症を抑える、肌の乾燥を防ぐ

野菜、果物等

ビタミンE

肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促す
ホルモンバランスを整えて皮脂の過剰分泌を抑える

卵、オリーブオイル、アーモンド等

5.Rest(休息・睡眠)、Recreation(趣味・運動)、Relax(リラックス)、3つのRでストレス解消

ストレス肌荒れは、あらゆる要因でホルモンバランスが乱れることにより起こるとも考えられます。自律神経のはたらきを正常に戻し、ホルモンバランスをととのえるために3つのRは非常に有効です。
例えば、趣味に没頭する、友達や家族との時間をもつ、ゆっくり湯船に浸かり体を温める、適度な運動をする、アロマ等好きな香りでリラックスする等々、様々な方法があります。

自律神経のはたらきを正常に戻す、という観点でおすすめするのは体を温めることです。交感神経が優位になると、血管を収縮させ血流が滞り、冷えに繋がったり、老廃物などの排出が上手くできなかったりします。

このはたらきの逆で、運動や入浴で体を温めると、血流が促され副交感神経のはたらきが優位になります。血管の収縮と拡張が交感神経と副交感神経のはたらきにメリハリを与え、リズムを整える一助となります。

 

6.ストレス肌荒れの原因を対策でき、改善を期待できる方法としてよもぎ蒸しの紹介

よもぎには殺菌効果と抗酸化効果が期待されており、よもぎ蒸しを継続されているお客様から「そばかすの量が減ったように思う。」「吹き出物が解消した。」等のお声をいただたこともございます。

6-1.よもぎ蒸しとは

煎じたよもぎの蒸気を直接、粘膜から体中に浴びせます。
約600年前に韓国から日本へ伝わってきたと言われている伝統的な民間療法の一つで、専用の椅子に座り首から下をガウンで包み、よもぎの蒸気を皮膚や膣、肛門などの粘膜から吸収させる仕組みです。
サウナと温泉を掛け合わせたイメージです。個人差がありますが、大量発汗の効果が見込まれています。


6-2.よもぎ蒸しでストレス肌荒れに期待できること

よもぎはハーブの女王と呼ばれるほど多くの効能をもち、薬用や食用に利用される他、中でも下腹部を温める作用に優れ、女性の生理、生理痛の治療や、妊娠、出産などにおいて多用されてきたそうです。

よもぎ蒸しは、下半身を中心として全身によもぎの蒸気を浴びることで、体の芯(内臓器官)を温め、発汗し、代謝アップや体内に溜まった老廃物、毒素の排出を促す効果があります。また、経口摂取よりも約42倍吸収率が高い粘膜(膣、肛門)からダイレクトに蒸気を吸収するため、よりいっそう高い効果が期待できます。

これらの効果が、婦人系疾患の改善、冷え性をはじめとし、美肌にもつながると言われています。

①リラックス効果
よもぎの香り(よもぎに含まれるシネオール、α-ツヨン、β-カリオフィレンなどの精油成分から成る)により、交感神経を抑えて副交感神経を強め自律神経を整える、すなわち、ストレス解消につながるリラックス効果があると言われています。その他、眼精疲労にも効果が見込まれると期待されています。

②血行促進効果
よもぎ蒸しは、まるで温泉に入っているように、約40℃の蒸気で体を芯から温めます。まさに温泉に入るのと同じように、体を芯から温めるので、血行促進の効果が期待できます。血行が促進され自律神経系が整うと、ホルモンバランス等の内分泌系のはたらきも整います。
また、蒸された後の保温効果も高く、体感に個人差がありますが、お腹の中にずっとカイロがあるような感覚で、しばらく温かさが持続します。

 

7.まとめ

ストレスによる肌荒れとはから始まり、主な症状と影響、原因、改善方法等についてご紹介しました。
適度なストレスは人間の適応性を維持するために必要と言われていますが、現代では過度なストレスを抱えている人も多いですね。
原因は、身体的、社会的、自然環境的要因等があり、これらが心理・身体上で生じるストレス反応につながっていきます。
生活習慣や普段の肌ケアを見直すことで改善される場合もありますが、難しい場合は早めに専門機関へご相談されることをおすすめします。

また、リラックスを日常生活に取り入れるという改善方法もあります。
その中で、おすすめするのがよもぎ蒸しです。
本コラムが、皆様にとって、よもぎ蒸しを知る機会となり、またより良い日常生活を営むためのきっかけになれば大変嬉しく思います。

最後までお読みくださりありがとうございます。

 

【参考文献】
看護roo!.皮膚疾患患者の精神的ケア.p.227-234.
https://www.kango-roo.com/learning/8739/
第一三共ヘルスケア株式会社.”大人ニキビ対策”.MINON. p.227-234.
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon-aminomoist/skin-column/acne-care/
第一三共ヘルスケア株式会社,肌あれの原因.”肌あれの原因”.くすりと健康の情報局.
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/41_hadaare/
株式会社 資生堂.”watashi+”.化粧水&乳液の使い方とニーズ別アイテムを徹底解説!.
https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB009195/?sc_rto=pc_beauty_article_detail_DB00919
花王株式会社.”製品Q&A”.【成分・働き】紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いは?どうやって見分けることができるの?.
https://www.kao.com/jp/qa/detail/16479/
養命酒製造株式会社.”睡眠の質を上げることは成長ホルモンに◎眠りを深くする5つの習慣”.楽しむ・学ぶ.
https://www.yomeishu.co.jp/health/4188/

 

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