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【STORY】Vol.1 代官山での出会い

(さて、今日はどこに行こうか…。)

神宮前から青山通りまでの緩やかな坂道、有名ブランド店が立ち並ぶ大通りで、ちょうど信号が赤になる。アクセルを踏んでいた右足を少しずつ緩め、愛車をゆっくりと停車させながら、信はぼんやりと考えていた。

ふと大通りを眺めると、厚手のコートを首まで着込み、肩を縮こませながら足早に過ぎ去っていく人たちが目に入る。

季節は2月。今朝のニュースでも「今日は特に冷え込む」とアナウンサーが言っていたのを思い出す。

(せっかくの休みだし、散策しながらどこか体が温まるところにでも行ってみるか。)

さっそく愛車に搭載されている大画面のタッチパネルを操作し、周辺を調べてみる。

昨年、友人からの勧めでテスラに乗り換えたのだが、機能性や利便性が高く、気に入っている。中でもこのタッチパネルは、地図で表示されている近くの店をタッチすれば、Googleマップと同じように口コミが表示されたり、そのまま店のウェブサイトに飛べたりもするため、非常に便利なのだ。体感としては、車内で大きなスマホをいじっているような感覚だ。

(コーヒーが飲めるオシャレなカフェでも探してみるか…?いや、サウナに行くのもありだな…。)

そうこうしているうちに信号が変わったため、一度検索を中断。上り坂を行きながら、脳内でもこの先のエリアを思い描いてみる。

(このまま行くと広尾や恵比寿、その先には代官山方面に出れるのか…。 車を置くことも考えると、代官山 T-SITEで充電しながら近くを散策でもしてみるか。)

代官山 T-SITEは、書店を中心としたカフェやラウンジなどがある商業施設である。広々とした駐車スペースがあり、そこにテスラの充電スペースもあるためよく利用しているのだ。

――――

目的地に着き、車を駐車する。そのとき、ふと先日友人が話していた話を思い出した。

―「最近行った代官山のよもぎ蒸しがよくってさ~!店長におすすめされて、回数券も買っちゃったんだよね。仕事の合間にも行けて気分転換にもなるし、その店長さんが日々できるケアとかも含めて提案してくれるから、仕事により集中できるようになっていいんだよ。」

(確か、T-SITEのすぐ近くって言っていたよな…。)

再び車のタッチパネルで「よもぎ蒸し」と検索し、出てきたお店を調べてみる。すると、一番近くに出てきたお店が、友人の話していた情報と一致した。

さらに調べてみると、そこのお店は予約制とのこと。 ダメ元でお店に電話をしてみると、偶然にもすぐこれからの案内で行けるとのことだったので、これも何かの縁だと思い、初めてよもぎ蒸しへと行ってみることにした。

――――

住宅地の中にひっそりと佇む、ウッドデッキの入口が特徴の3階建て。 剥き出しの階段を登っていきながら、建物の壁に書いてある「YOMO~食べられるよもぎ蒸し~」の看板を横目にゆっくりと階段を登る。

最上階まで登り、1番奥の部屋まで進んだところで、店長さんと思わしき人が信を迎え入れてくれた。

部屋は窓から光が射し込む明るい印象。観葉植物が多く配置されており、心が自然と落ち着く空間だ。

まずは店長さんがよもぎ蒸しとは何なのかを説明してくれる。
無農薬、無着色、国産で規定農家による手摘みのよもぎだけを使用した、純度100%の食べられるよもぎ蒸しとのこと。

ポンチョのような頭からかぶるタイプのブラウンのマントへと着替えたら、部屋の奥にある大きな椅子へと案内された。

この椅子は、オーナーがこだわって特注したヒノキの椅子だそうで、座るところに穴が4つ空いており、中央に大きな穴が1つ、その隣に小さい穴が3つ空いている。

マントの裾を大きく広げ、穴から出てくるよもぎの蒸気をマントの中に取り込むようにしながら、中央の穴の真上へとちょうど陰部が当たるようにしながら座る位置を調節する。 マントに付いているフードを被ると、ここから15分間蒸されていくのだそうだ。

店長さんが「ごゆっくり」と声をかけ静かに部屋を出ていくと、よもぎを蒸す音と、自分の呼吸音だけが聞こえるようになった。

じわじわと蒸気を下から浴びていく。

(……。なんか…。蒸気が当たってるところが熱いな…。)

普段なかなか温められることがない部位に直接蒸気が当たっているため、なんだか慣れない感じである。 だが、だんだんとそれよりも別のことが気になってきた。

(…。こんなにも汗をかいていくものなのか…?)

というのも、マントの中でダラダラと流れる汗の量が尋常じゃないのだ。全身から汗が吹き出してきているような感覚で、頭皮からも汗が出ている感じがする。信はよく友人とサウナにも行くのだが、それとはまた違った感覚で戸惑う。

フードの中の顔まで、汗でダラダラになったところで、店長さんが戻ってきた。 もう15分経ったようである。

マントを脱ぎ、肌が空気に触れて一気に清涼感を覚える。 タオルで全身にかいた汗を拭き、服へと着替えようとしたときふと気付いた。

(あれ…?汗をかいたのにベタつかないぞ…?)

先ほど店長さんが「よもぎの成分を含んだ蒸気に包まれたので、汗はベタつかずにスッキリとした体感があると思いますよ。ですので、今日はシャワーを浴びずに過ごされることをおすすめします。」とおっしゃっていたのだが、それがまさにだった。

着替えを終え、会計をし外に出る。

「ありがとうございました」と店長さんが見送る声を背中に聞きながら、軽く会釈をし、階段を下る。

(いいところを見つけたな。この疲労感なら確かに仕事のリフレッシュとしてちょうどいいし、さっき店長さんがカップルや友人同士でも来れるって言っていたよな。次は彼女とデートとして来てもいいかもしれないな。)

そう思いながら、心地よい疲労感を感じて、テスラへの道を戻るのであった。

~続く

 

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