【STORY】Vol.2 出張帰りに上質空間へ

ゴォーーーー
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
遠のいていた意識が、飛行機の着陸動作で引き戻される。
折り畳み式のミニテーブルに置いていたスマホを確認すると、液晶パネルにはam 06:30と表示されていた。
今回の出張は海外だったのでトランジットもあり、下半身がパンパン。汗もかいたので軽くシャワーにも入りたい気分だ。
(帰りがけに、スーパー銭湯にでも行こうかなぁ…。でも疲れてるし、パッと入れてリラックスもできるとこがいいよな…。)
普段よく行くスーパー銭湯は、マンガや雑誌なども多く置いてあるので、数時間ゆっくりと過ごすことが多い。
(あ、そうだ。こーゆーときこそ、この前行ったよもぎ蒸しがベストかもな。)
前回初めて行ったよもぎ蒸しだが、15分で汗をかけ、さらにはベタつかずにスッキリとして帰れた感覚を思い出し、長旅の疲れを癒すのにちょうどいいのではと思った。
飛行機が着陸動作に入るという機内アナウンスを聞きながら、信はスマホで代官山までの道のりを調べる。
(今からだったら空港内の移動も含めて、9:00前後には代官山には行けそうだな。よし、じゃあYOMOに行ってみるか。)
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スタイリッシュなデザインがお気に入りのキャリーケースを転がしながら、ロビーを移動する。キャスターが滑らかに動いてくれるのは、疲れた体には助かった。
電車に乗り込み、渋谷駅で東横線へと乗り換え、代官山駅に到着。駅から歩いて8:55にお店に着いたため計画通りである。
ウッドデッキ調の階段が目立つ建物の下に着くと、グレーの背景に白文字でYOMOと書かれた看板が今回も迎え入れてくれた。
店長から預かったマントへと着替え、オーナーがこだわって特注したというヒノキの椅子に移動する。仕事で酷使した頭と体をリセットしていこうと、フードを深く被り、目を閉じてよもぎの香りへと意識を集中してみる。
前回と同様に、ジワジワと全身から汗が噴き出してきた。
ほどよい暗闇の部屋で、何も考えずに、ただひたすらに蒸されてみる。
「15分経ちました。よもぎ茶もお注ぎしますか?」
終わりを知らせに来た店長さんに、来たときに注いでもらっていたよもぎ茶を追加してもらう。

よもぎ蒸しで使用しているのと同じよもぎを使ったお茶なんだそう。 着てきた服へと着替え、よもぎ茶を飲んで、さらにほっと一息。
(やっぱり汗がべたついてないから、シャワーを浴び終わったようなスッキリ感と、心地いい疲労感だな。)
会計を終え、持って来たキャリーケースを持ち上げながら階段を下る。 建物の壁に書いてある「YOMO~食べられるよもぎ蒸し~」の看板を横目に見て、帰路へと就くのであった。
~続く
- SCHEDULE
ナイトタイム:22:00〜28:00(最終受付 23:00)
定休日:不定休
- ACCESS
東急東横線「代官山」駅 正面口から徒歩3分
代官山蔦屋書店 徒歩1分
JR山手線恵比寿駅・日比谷線恵比寿駅 徒歩10分